株式会社 武重建築設計 TAKESHIGE ARCHITECTS

PROJECTS

HOUSE OF MOTAI (RENOVATION)茂田井の家(改修)

Renovation

  • Nagano, Japan
  • 2019

中山道の宿場にある築100年の蚕室造り古民家の改修である。一部納屋を事務所へ、土蔵を書庫へと断熱改修を施している。
長野県や全国に見られる古民家と同様に母屋の周囲には土蔵や納屋、牛小屋等が付属している。母屋は細かな改修を繰り返し、100年間代々住み次いで来たが、蚕室部分や附属屋は長い間納戸となっていた。かつての農業や養蚕等を生業とした職住一体の暮らしから、職住分離した生活への移行と共に附属屋は活発に利用されなくなっていた。
時は流れ今、職住近接の生活スタイルが見直されて来ると、古民家の納戸や土蔵が用途を変えて再利用出来るように思える。シンプルで可変しやすい和小屋の伝統工法は改修し易く、住居やホテル、事務所や店舗など様々にリノベーション可能に思う。深い軒で建物を守り、土壁により調湿を行い和小屋組により大空間を確保する古民家の伝統工法デザインは学びが多く、頭が下がるばかりである。
今回は断熱改修を施し、開口部の障子はペアガラスの断熱木製建具に変更、外観は漆喰の塗替えに留めている。断熱や換気を現代に合わせ生活し易くし、かつての古民家のように結露や湿気対策を慎重に施せば、まだあと100年位は使い続けられそうである。